でんホームの活動

収納や整理整頓についての考察「なぜ、片づけられないか?」

ここ数年間で、何度かの大規模な蔵書削減を行いまして、
概ね、減少の途をたどっております私の本棚。

かつては1000冊以上はあったはずの本たちも、
いまでは500冊を切るほどでしょうか。
いや、もっと少ないか。
いや、おそらく6-700冊以上は残ってるか。

加えて、ここ最近は不定期ではあるのですが、
書籍の整理にとりかかっていまして、
数冊単位で処分されています。

このペースを1カ月ないし、2カ月は継続させるつもり
ですので、おそらくは年内にはかなりの数の書籍が、
私の本棚からなくなっていくことでしょう。

今回は私の書籍処分の体験をふまえて、
収納や整理整頓についての考察
「なぜ、片づけられないか?」
について考えてみたいと思います。

写真
▲買い物をしている竹内(夏頃の写真です・笑)

なぜ、物が増えていくのか?

まず、基本的な考察からはじめたいと思います。

「なぜ、物が増えていくのでしょうか?」

それは、物を手に入れているからです。
手に入れる方法としては、頂き物と買い物です。

ほとんどが買い物でしょうから、短くいうと、
「なぜ、物が増えるのかというと、
物を買っているから、増えているのです」。

ただ、ここで大切なのは「物が増えていく」ことです。

物が増えていくという原理は簡単です。

「物の増加分ー物の減少分=物の変化」

ですから、物を買わなくても、
消耗したり、消費したりする分以上の物がなければ、
物は変化しないのです。

物は買わなくても、減りはしないというわけです。

つまり、物を買った増加分と同等の分量を
消費・削減・処分しないかぎり、物は減らないのです!

物を捨てるのはエネルギーが要ります。

反対に、物を買うは本当に簡単にできます。
お金を払って、持って帰ればいいだけですから。

ですから、不均衡なんですね。

物を捨てるのは大変。
物を手に入れるのは簡単。

でも、手に入れるより多く捨てないと、
物は増えていく一方。

これが物が増えていってしまう原因なのです。

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▲パン

なぜ、本棚から本がなくなっていったのか?

そのような背景がありますから、
物は増えていきやすいわけです。

ですが、今回のように、私の本棚からは
本がなくなっていっています。

この私の体験から、何が見えるでしょうか。

事実としては、基本原則に沿った2点が原因です。

1.本をめったに買わなくなった
2.本を捨てられるようになった

つまり、物を手に入れる量が大きく減り、
物を処分する量が増えた
わけです。

マイナスが大きいのですから、物は減ります。

まず、本をめったに買わなくなりました。

本を買わなくなった理由

これは私自身の知識探求の源泉であった動機が、
あまりおおっぴらに言う話でもないですが、
「過去のトラウマ」であったわけです。

「過去のトラウマ」は具体的に言えば、
小学3年生くらいの頃に、父親を亡くしたことです。

特段の苦労をしたわけではないですが、
人一倍、生活の不安や恐怖におびえて生きてきました。

そういうこともあって、
「自力で稼ぐことのできる人」というテーマで
知識を探求してきました。

そのテーマで、30代で年収3000万円を実現した人111人に
直接会って取材して、本を書きました。
参考書籍:『30代で年収3000万円を実現した300人に聞いた!稼げる人、稼げない人』

2年間と数百万円くらいかけて、本当に111人に
全国(といっても東京がほとんどですが)巡って、
お会いしてきました。

そういう体験をしましたので、
必要な知識を得たような気がいたします。

本を読むことで満たされようとしたものを
取材活動で満たしたような気がします。

ですので、喫緊で本をたくさん買って満たされようと
しなくなったのでしょう。

本を捨てられるようになった理由

本を捨てられるようになった理由も、
買わなくなった理由と密接につながっています。

妻であり、でんホーム代表の藤本香織は、
整理収納についての研究をしており、
彼女が私に教えてくれたことがあります。

それは「捨てられないのは、執着があるから」。

Aという物があるとすると、
そのAに対して、執着があったり、
感情が込められている、
だからこそ、捨てられないのだそうです。

その執着や感情はAそのものではなく、
Aに向けられたものだそうです。

という意味がわからないので、
具体的にお話すると、

私にとっての本は、トラウマや不安の解決策でした。

その解決策に執着していて、
本がなくなることで不安になるのではないか、
という感情がありました。

つまり、本を捨ててしまうと、
私は武器をなくし、無防備になってしまう、
そういう不安があったわけです。

ですが、私はこれまでの過程で、
取材などで必要な知識を手に入れ、
卒業してもいいのだとわかったことで、
そういう感情から解き放たれたわけです。

ですから、本に対する執着がなくなり、
なくてもいいんだ、とわかって処分できるようになりました。

なぜ、片づけられないか?

という体験をふまえて、
「なぜ、片づけられないか?」を考察します。

それはやはり、私の本に対する執着のように、
「モノ」に対して、何かしらの執着だったり、
感情だったりが込められているからだと思います。

私の祖母は他界しましたが、捨てられない女性でした。

ゴミ屋敷、とまでは言いませんが、
ものすごくモノが多い家でした。

それはなぜか、というと、戦争体験者ですから、
モノ不足で苦労したからだと思います。

モノがなくて、食べ物がなくて、
ひもじい思いをして、苦労をしたから、
もうそういうことは経験したくないから、
モノを貯めることで不安を消したいのです。

モノそのものが大事ではなかった証明として、
彼女の貯めていた食べ物の三分の一くらいは
消費期限が切れていました。

これは食べてしまうことが目的ではなく、
食べ物がない不安を消すことが
目的であったとわかります。

このようなかたちで、「モノ」への執着や感情が、
人を片づけられなくさせています。

私個人としては、そもそもが「モノ」への執着・感情が
強いほうではなく、とりわけ書籍だけが突出していました。

ただ、この意味合いは他のモノでも同じだと思います。

なぜ、その「モノ」を買うのか。

それは「モノ」そのものというよりも、
それに込められた感情があるはずです。

人によく見られたい。
人にほめられたい。
不安をなくしたい。
安心したい。

そういう感情をまず、
自分のなかで見つめ直すといいのかもしれません。

私がわかったことは、
「もう卒業してもいいのだな」と思えることが、
想像以上に多かったということです。

時が経ち、10年近く時間が経っていると、
本当はもうそういう感情から卒業しても
いいのだな、と思えるものです。

そういう気持ちになったら、モノが捨てられます。

私はそういう感じで、
書籍をぼちぼち捨てていくようになりました。

とはいうものの、現状ではまだ、
「本が多い人」というジャンルでまあまあ上の部類を
走っているようなレベルの蔵書数でしょうか。

継続的に処分していこうと考えています。

本当に読み返したい良書が100冊くらいはありそうなので、
それ以外をすべて処分するのが目標です。

少しでも何かのお役に立てば、幸いです。