タマホームの研究

■タマホームの拡大戦略

1.タマホームは、売上代金を早期に回収する。
工事進捗より早く、3分割?にて
2.代金支払は、工事進捗に合わせ、3ヵ月後の支払いをする。
3.資金の滞留期間ができるため、多額の現金が手元に残る。
4.その資金を用いて、新規出店を行い、拡大していく。

■タマホームの価格

坪単価25.8万円
これは、「延床面積」ではなく、独自の「施工床面積」というものを使って計算。

「施工床面積」とは、延床面積では含まない、吹抜けやロフト、ベランダや玄関ポーチまで床面積としてカウント。

例:延床面積:39.47坪 ⇒ 施工床面積:47.60坪
大きくなった床面積で割り戻すため、坪単価は安くなる。

坪単価25.8万円には、地盤調査や屋外の電気、給排水、確認申請料などの
付帯工事は含まれていません。それらに約400万円掛かります。
また、チョットしたオプションを加えると、約44万円のアップ。

タマホームの説明によると、「当社では、最終のお引渡し価格は、平均で坪単価36万円ほどになります。」
(タマホーム独自の「施工床面積」を使って計算した場合)

例:総工事費16,784,627円を「施工床面積」で割ると、坪単価35万円。
しかし、通常の「延床面積」で割れば坪単価44万円に。

タマホームは基本的に値引きは一切しないそう。
その代わり、金額は100円単位までしっかり出すそう。

■タマホームの営業スタイル

他の大手ハウスメーカーのように、住宅展示場に、現実離れした豪華なモデルハウスを建てるような事はしていません。
営業所の敷地内に単独で標準仕様のモデルハウスを建てています。それは、他社の豪華なモデルハウスと比べられてしまうと、あまりにも見劣りしてしまうという事もありますし、できるだけ、余分な経費を掛けないという理由によるものです。

更に、プランや仕様の打合せにおいても効率化が図られ、経費削減をしています。
注文住宅を建てる場合、一般的に打合せは引渡しまでの間、10回以上、多ければ20回を超える場合もあります。また、営業マン以外にも建築士やインテリアコーディネーターが同席します。

しかし、タマホームの打合せは数回程度で、営業マン一人だけです。見積もりも、通常は積算担当者が行いますが、タマホームでは見積作業を単純化し、営業マン一人で、できるシステムを作り上げました。

また、通常、大手ハウスメーカーでは、営業マン一人当たりの平均受注数が年間約6~7棟なのに対し、タマホームではその倍の年間12~14棟を受注しています。

このような、徹底した効率化を図ることで、営業に掛かる経費をできるだけ抑え、他社を圧倒するような低価格を実現しています。営業マンに色々なサービスをしてもらいたい。あるいは、もっと密に打合せを重ねて、こだわりの家を建てたい。という方には、タマホームは向きません。

(「家づくりを応援する情報サイト」からの転用を含む)

■タマホーム

1998年、会社設立
1999年、最初の展示場をオープン
売上推移
2001年度 44億円
2002年度 106億円
2003年度 250億円(1,437棟)
2004年度 450億円(2,847棟)
2005年度 809億円(4,870棟)

2007年度 1,290億円
2008年度 1,679億円
2009年度 1,885億円

他社で経験を積んだ営業マンの中途採用がメイン。
各自に数値目標が与えられる。

施工管理担当者1人で年間30-40棟管理。
同時に、新規工事業者の開拓、指導も行う。

住宅展示場の規模は1,000-2,000坪で2-4棟のモデルハウスと大きな駐車場。

タマホームの一拠点は、総人員15-20名(営業10-15名・設計3名・建設2名・管理2名)。

一拠点当たり、完工20億円(120-130棟)が目標。
実績は、一拠点年12億円、80棟程度。
営業は、月1棟、3ヵ月間に3棟受注できないと退職勧告。
営業の離職率高い。

タマホームは、現場管理者がいなくても工程が進むようなシステムになっている。
現場監督不要な施工システム。

工程内検査は、ジャパンホームシールド。

現場からその日の進捗状況を報告させる(電話)。
後続の関係業者に適宜、連絡(携帯メールなど)。
現場でトラブルがあったらすぐに報告させる。

専門工事業者を協力会として組織し、毎月1回以上の勉強会を実施。



740 Park Avenueを見てきました

見聞を広めるために、超一流の住宅とはどのようなものなのか、アメリカはニューヨーク・マンハッタンにある「740 Park Avenue」を視察してきました。

「740 Park Avenue」は、17階建ての超高級アパートメントで、古くは石油王のロックフェラー一族のジョンD.ロックフェラー・ジュニアが所有していたもの。

1929年に建設され、Rosario CandelaとArthur Loomis Harmonによって設計された、この建物には、今でも、多くの超お金持ちや有名人が住んでいます。

ジャクリーン・ケネディ・オナシスの子供のころの住宅であり、エスティ・ローダー創業家のロナルド・ローダー、タイム・ワーナーの元CEO、メリル・リンチの元CEO、自動車のクライスラー家の人、そして、Blackstone Groupの創業者でCEOのスティーブ・シュワルツマンが居住しています。

このことから見てわかるように、たとえば、スティーブ・シュワルツマン(Stephen A. Schwarzman)は、約8bilドル(約8000億円)のビリオネアですから、この「740 Park Avenue」は、世界でも有数の超一流の住宅であるというわけです。

ドアマンが常駐している入り口は、ちょっと凝ったつくりになっていて、荘厳な感じがします。
もちろん、道路までは、屋根がついていて、雨が降っていても濡れずに車までアプローチできるようになっていました。

総じて見ると、感覚的には、落ち着いた雰囲気で、静かで、しっかりとした建物のように感じました。
華美な装飾がされているわけでもなく、あくまでベーシックな趣の、どっしりとした大人の雰囲気の建物です。

ニューヨーク・マンハッタンのアッパーイーストサイドは、超高級住宅街だそうで、その雰囲気も満載。
歩いている人(その地域の住人)たちも、そういう高級・セレブな雰囲気でした。

ちなみに、ネットで検索したところ、「740 Park Avenue」の価格は、5ベッドルームが$38mil(約38億円)、4ベッドルームが$26mil(約26億円)となっております。
http://www.cityrealty.com/nyc/manhattan/740-park-avenue-740-park-avenue/4661

最後に、「740 Park Avenue」に関して、興味深いブログ記事を発見したので、引用しておきます。

ウォールストリート日記 : Blackstoneと740 Park Ave
大手LBOファンドであるBlackstoneの創業時代からの話について

Blackstoneは、現在までにクローズした案件総額が$120bn(14.4兆円)、傘下のポートフォリオ企業の価値を合計するとアメリカ大手企業 500社(Fortune 500)の20位にランクするという、業界最大手のLBO(バイアウト)ファンドです。最近のブログにも書いた史上二番目の規模のLBOであるTDCのバイアウトにも参加し、また近日中に$13bn(1.6兆円)と言う巨額のバイアウトファンドをクローズ予定と言うので、その規模の大きさが分かると思います。

同社はかつての業界のリーダーであったForstmann LittleやThomas H. Leeとの競争に勝ち抜き、今では業界の草分け的な存在であるKKRと互角の争いをしています。世の中のお金がパブリックエクイティ(上場株)からプライベートエクイティやヘッジファンドと言ったいわゆるオルタナティブ運用に流れて行く中で、Blackstoneは、LBOファンド、リストラファンド、メザニンファンド、不動産ファンドなどを抱える大手運用グループに成長しています。(これはLBOに固執するKKRと対照的です。)

そんな Blackstoneですが、大手投資銀行のLehman Brothersのトップを11年勤め、後に米国の商務長官にも任命されたPeter Petersonと、同じくLehman出身のStephen Schwarzmanが20年前に40万ドル(約4,800万円)の資金で始めたファンドです。

当初は2人以外のメンバーは秘書だけだったそうで、プライベートエクイティファンドが稀な存在であった創業当時は「それはもう、本当に大変だった」と、FTの記事の中でSchwarzman氏は当時を振り返っています。具体的には、最初に検討した案件19個が次々と駄目になり、488社の投資家から出資を断られたと言うので驚きです。そして創業資金の半分は、一ドルも稼ぐ前に無くなってしまったそうです。それでも断られても断られても営業活動を続け、その苦労が報われて、後にリードインベスター(Prudential Life)が見つかり、その後は日興證券、MetLife、GE、GMなどから次々にお金が集まるようになったそうです。こういった話はあまり知られていませんが、まさに起業家精神の何物でもないと言う感じがします。

そんな同社の最初のバイアウト案件は、最近よく名前を聞くCarl Icahn氏が乗っ取りをかけていたエネルギー業界の会社、USXだったそうです。乗っ取りからの救いの手を差し延べる形で行った同社への投資は大成功で、投資額$25mm(約30億円)に対し、Blackstoneは後に$600mm(約720億円)の利益を上げたと言うので驚きです。

そしてこのディールは、後にBlackstoneの投資手法の代名詞ともなる、高リターン、強固なコネクション、企業との協力関係といったスタイルにつながっていったそうです。これらは今では当たり前に聞こえますが、企業の乗っ取りが盛んだった1980年代には、企業と協力したバイアウトと言うのは非常に珍しい投資手法だったと聞きます。LBOを発明したのがKKRならば、この「信頼してくれれば常に味方につきますよ」と言うバイアウト手法を発明したのは Blackstoneと言えるかもしれません。

参考:「740 Park Avenue」のペントハウスのフロアプラン



クリエイティブ都市論―創造性は居心地のよい場所を求める リチャード・フロリダ (著), 井口 典夫 (翻訳)

「クリエイティブ資本論」の著者で、トロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメント教授の著者、リチャード・フロリダ氏が、クリエイティブ・クラスが主導する経済において、先端的な経済発展はメガ地域に集中し、相似形になっていく世界都市の現実と近未来像を描きつつ、クリエイティブ・クラスにとっての自己実現の重要な手段となっている居住地の選択について、独自の経済分析、性格心理学の知見を使って実践的に解説したのが本書。

以前書いた記事、「メガ地域がグローバル経済を動かす – リチャード・フロリダ」の書籍化と思われる。

福岡のはずれに、おしゃれなカフェがあった。
僕はそのカフェのある山の頂上付近の展望台に行こうと車を走らせていた。

そんなときに、たまたま、そこへ行く道の途中にあったカフェだった。
そこは山奥の見晴らしのいい場所にあって、雑誌にとり上げられていたことを思い出し、偶然もあるものだと感じながらも、カフェに入ってお茶を飲んだ。

コンクリートと鉄骨でモダンな雰囲気を出しているカフェの店内に入ってみると、見晴らしのいい場所で、山の高いところから、福岡の東側が見渡せる位置にあった。

静かな店内で、僕はPCを開いてメールをした。
そうして気付く。

福岡の山奥のカフェでも、都心部のオフィスでも、東京の真ん中でも、アメリカ・ニューヨークでも、同じように仕事ができる。

これが現代の時代を象徴している姿なのだ。
つまりは、ワイヤレス通信、モバイル機器といったテクノロジーの発達と通信インフラの充実によって、僕らのビジネスの姿は、地理的な影響から解き放たれたというわけだ。

ベストセラー「フラット化する世界」の著者、トーマス・フリードマンの主張はこうだ。
世界はフラット(平ら)になった。どこに住んでいようと、グローバル経済に参加できる

しかし、本書の著者、リチャード・フロリダはこう言う。
世界はフラットではない。世界は鋭い凹凸があって『スパイキー』だ」と。

新たな経済単位である「メガ地域」がグローバル経済をかたちづくっているのだと主張する。
リチャード・フロリダの研究チームは、グローバル経済は概ね20から30という少数のメガ地域が担っているとする結論を導いた。

(注:ちなみに、「広域東京圏」「大阪=名古屋」「九州北部」「広域札幌圏」が世界の主要なメガ地域に含まれているとのことだ。うれしいかぎりだ。)

つまり、リチャード・フロリダは、グローバル経済の波とテクノロジーの発展をもってしても、なお、「住む場所」が人生、つまりは、職業、職業的成功、仕事上の人脈、快適な暮らし、伴侶を見つけることといったもの、に影響を与えると主張しているのである。

そして、僕も(おそらくは、あなたも)ぼんやりと気付いている。
いかにテクノロジーが発達して、通信手段が効率的になったとしても、依然として地理的な影響、つまり、住む場所の影響は大きいのだと。

リチャード・フロリダの長年の研究から生まれた本書から学べることは多い。

才能、イノベーション、クリエイティビティのような現代の主要な生産要素は均一に分布していない。
むしろ特定の地域に偏り、集中しているのだ。

現代のクリエイティブ経済における経済成長の真の原動力とは、才能と生産性に満ちた人々の蓄積と集中化である。
彼らが特定の地域に寄り集まって住むことで、新しいアイデアが生まれ、その地域の生産性は増加する。
集積化によって個々の生産力が高まり、今度は生産物と富の増加を生成しつつ、地域そのものの生産性を高めるのだ。

今日、世界の人々の半分以上が都市圏に住んでいる。事実、アメリカでは国内総生産(GDP)の90パーセント以上を大都市圏が担い、さらに、そのうち23パーセントを、たった5つの主要都市が稼ぎ出している。

つまり、現代において重視される才能やイノベーション、クリエイティビティをもたらす人たちは、均一に散らばっているのではなく、特定の地域に集中している、ということなのだ。

集中、集積することで、生産性が高まり、また、それが才能豊かな人たちを惹きつけることになる。
これは、都市の魅力が正のフィードバックループによって自己強化するプロセスが存在するということである。
このことがもたらす帰結は単純である。

二極化だ。

つまり、非常に高い魅力を持った都市とほとんど魅力のない都市に分かれ、魅力ある都市は才能豊かな人を惹きつけ、生産性も高まり、経済成長をもたらす、端的に言えば、成長する大都市となる。

一方で、魅力に欠けた都市は、才能豊かな人が流出してしまうことで、さらに生産性が低くなり、そのことがさらなる魅力の喪失を招き、人口の流出によって過疎化しだす、端的に言えば、衰退する都市となるわけだ。

しかし、一方で、住む場所、つまり、居住地は、経済合理性だけで選ばれるものではない。
人の居住地選択には、感情的な側面もある。

そのことについても、非常に興味深い調査結果と共に、本書で言及されている。

ロンドン大学の経済学者ナッタブド・ポウドサベーは、2007年に興味深い研究を行っている。
その内容はアンケート調査によって、頻繁に会う友人や親戚の金銭的価値を試算するものだった。

彼によると、友人や親戚と毎日欠かさず会えることは10万ドル以上の追加収入に匹敵するという。
たとえば、家族や友人に定期的に会える場所から、はるか遠くへ引っ越したとする。その喪失感は13万3,000ドルに相当するというのだ。

友人や親戚と会えることに対する価値は、非常に高い金銭的価値を持っているのだというわけだ。
続けて、リチャード・フロリダのサンプルデータからの興味深い知見も述べられる。

移動した人々もたいてい、最終的には故郷へ帰る決心をする。家族と一緒に暮らしたいから、年老いた親や子供の面倒を見るため、また生涯の友人と一緒にいたいからなど理由はさまざまだが、故郷が人を惹きつける力は途方もなく大きい。

私は本書の執筆にあたって、およそ200例もの詳細な移動のサンプルを集めたが、そのうちの多くが転居を繰り返した後、人生の後半になって故郷に戻っている

これらを総じて見ると、人の居住地は、純粋に経済合理性だけでは片づけられないように感じる(個人の価値観次第ではあるが)。それでは、いったい、どのようにして自分に適した居住地を把握すればいいのだろうか?

そのことについて言及したのが、第12章「最高の居住地を見つける方法」である。
最高の居住地を見つけるにあたり、検討すべき事項としてリチャード・フロリダは5つ挙げている(引用は抜粋)。

1. 居住地が、仕事や職業上の成功に与える影響に注意を払うべきだ。
2. 親しい知人や親類がそばにいることの有難みと、彼らから離れることによる代償を把握するのも重要だ。
3. 自分のライフスタイルに合う場所を探す時は、自分の気持ちに正直にしたがうべきである。
4. 住みたいと思った候補地が、自分の性格に合うものかどうかも熟考すべきだ。
5. 最後に、候補地が現時点のライフステージに見合うかどうかを確認することも重要である。

つまりは、仕事・職業上の成功(経済合理性)、親しい人間関係を失う代償、ライフスタイルの適合、自分の性格との適合、自身のライフステージとの適合、といった要素を検討すべき、というわけだ(この章の続きでは、実用性のあるツールとして、10のステップが書かれている)。

人生における重大な決断、つまり、「どこに住むべきか」を考える際に、これらの知識を持っておくことは非常に有益なことだと感じた。また、個々人のライフステージによって居住地が変わること、検討事項の考慮は、今後の指針となるだろう。

経済がグローバル化して、ますます重要度を増している「場所(ロケーション)」。

これからますます、地域間に格差が生じていくことになると同時に、どの地域に住むべきかという判断を迫られるようになる現代人。
そんな現代人が人生の節目節目で、参照すべき書だと思う。



クリエイティブ資本論 リチャード・フロリダ (著), 井口 典夫 (翻訳)

トロント大学ロットマン・スクール・オブ・マネジメント教授である著者、リチャード・フロリダ氏が、新しい社会階層であるクリエイティブ・クラスの台頭について述べたものが本書。

リチャード・フロリダ氏の主な主張は、次の通り。

  • 現在では、クリエイティブ・クラスと呼ばれるまったく新しいタイプの労働者が総労働人口の3割を占めるようになっている。
  • 場所がいまも重要な経済的・社会的な構成要素で、彼らは暮らしたい環境がある場所を選び、移動していくため、クリエイティブ・クラスが集まる地域とそうでない地域の間で経済成長の格差が拡大している。
  • そのため、経済成長に必要なのは企業・雇用・技術だけではなく、3つのT、つまり、技術(technology)、才能(talent)、寛容性(tolerance)によってもたらされる。

amazon:目次

1章 日常生活の変化
第1部 クリエイティブ経済の時代
2章 クリエイティブ精神
3章 クリエイティブ経済
4章 クリエイティブ・クラス
第2部 新しい働き方
5章 機械工場と美容室
6章 水平な労働市場
7章 カジュアルな職場
8章 クリエイティビティの管理
9章 不規則な時間
第3部 日常生活と余暇
10章 経験の追求
11章 ビッグモーフ
第4部 コミュニティ
12章 場所の力
13章 クリエイティビティの地図
14章 経済成長の三つのT
15章 社会資本からクリエイティブ資本へ
16章 クリエイティブなコミュニティの構築
17章 クリエイティブ・クラスの責任

では、具体的に本書のテーマである「クリエイティブ・クラス」とは、どのような人たちなのかということについて述べておこう。

「クリエイティブ・クラス」には、科学者、技術者、大学教授、詩人、小説家、芸術家、エンターテイナー、俳優、デザイナー、建築家、ノンフィクション作家、編集者、文化人、シンクタンク研究員、アナリスト、オピニオンリーダーなどがひとつ。

もうひとつが、「クリエイティブ・プロフェッショナル」と呼ばれるタイプで、ハイテク、金融、法律、医療、企業経営など、さまざまな知識集約型産業で働く人々である。

つまるところ、リチャード・フロリダ氏が述べたいことは、主流経済が、従来の製造業から、知識集約型産業へのシフトが起こっており、それぞれの産業の生育要因が異なることから、地域間格差がおこるということだろう。

たとえば、製造業は一度、工場を建設してしまうと、おいそれとは移動できない。そのため、定着率が高くなる。

一方で、知識集約型産業に従事する人たちは、基本的な生産要素は頭脳(+肉体)であるから、基本的にはどこに移動しても問題ないという側面がある。このことから、クリエイティブ・クラスにとって、暮らしやすい地域か否かというだけで、経済成長に差がついてしまうというわけなのだ。

僕自身もクリエイティブ・クラスに属しているし、また、周りにいる多くの知り合いもまた、クリエイティブ・クラスに属している。これは、つまり、このクリエイティブ・クラスが非常に一般的になってきているということでもある。その基礎条件が整った今、導かれることは、リチャード・フロリダ氏が述べているような経済発展の地域間格差だろう。

フロリダ氏の主張する3つのT、つまり、技術(technology)、才能(talent)、寛容性(tolerance)が地域経済の発展にポジティブな影響を与えるということだ。

もし、地域の経済を発展させたいと望んでいたり、地域経済発展に関係しているのであれば、このリチャード・フロリダ氏の主張は、非常に重要で、価値ある提言といえよう。

また、これからの時代がどのようなものなのかを認識する材料として、本書を読んでみるのもいいだろう。

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