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現代人は、歴史上、類を見ないほど清潔 トイレとお風呂

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トイレ、お風呂といった習慣は、現代人にとっては不可欠なもの。排泄物が少しでも路上にあれば、不快に感じるものですし、お風呂に数日間入らなかっただけで、とても不快に感じるものです。それだけ衛生観念、清潔な現代人。

このような状況は、人類の歴史的には、長い歴史を持っているわけではなく、ここ最近の出来事なのです。

フランスでは、かつて、身体を水にさらすことはタブーだった

たとえば、フランスでは、かつては、みだりに水に触れること、ましてや身体を水に浸すことはタブーとされていました。「入浴は<生と死の節目にある>が故に、人は生涯に二度ないし三度以上は湯浴みすることがほとんどあり得ない」とされ、誕生、結婚、死といった人生の大きな「移行」の局面でのみ、全身入浴は認められていたのです。普段の身体の汚れは「汗が洗ってくれる」ものと信じられており、「身体が発する強烈な臭気は性的強さの印」ですらあったといいます。

加えて、「十九世紀半ばまで、少数の医者は、そしておそらく大多数の人々は、汚物のあらたかな効力を信じていた」そうで、排泄物は健康によいものだと信じられていたのです。現代のように、トイレ(便所)が住宅のなかに設置され、汚物処理の方法が確立したのは、二十世紀初頭のことなのです。

このように、歴史上、類を見ないほど清潔な現代人のスタイル。
それは、ほんの100年程度の歴史で、それまではずっと現代感覚で不潔な生活スタイルを送っていたわけなのです。