学んだこと

インターネット上の記事掲載で名誉毀損で訴えられるリスクはどうなっているか?

このブログのように、私自身、インターネット上に記事を毎日のように掲載しております。
住宅に関すること、ビジネス書のこと、近況のことなど、いくつかのテーマが絡み合っています。

私は他者批判やネガティブなことはあまり書いていないと思うのですが、それでもインターネットにアップしておりますので、公衆の面前にさらされている状態なわけです。不特定多数の方に見られるわけですので、何かないともかぎりません。

そういうリスクを鑑みたときに、わからないことが多く不安です。

そんなときに、知人の白川敬裕弁護士からニュースレターが届きました。ありがとうございます。

20120808131234

白川敬裕弁護士は現在、東京在住なのですが、ご出身は我らが福岡県北九州市です。
そこから、ラサール高校卒、東京大学法学部卒。
24歳で裁判官。転勤の家族への負担を考え、弁護士に転身という経歴です。
すごい!!しかも、イケメン。

さて、本題の「インターネット上の記事掲載で名誉毀損罪になった事例(最高裁 H22.3.15)」についてです。

【ケース】
★X(被告人)は、自ら開設したホームページ上に、A社(フランチャイズ飲食店の経営を指導する会社)について「飲食店の売上がカルト集団の収入になっている」「虚偽の広告をしている」旨の記事を掲載した。

★Xは名誉毀損罪で起訴された。第一審は無罪。控訴審は有罪(罰金30万円)。

【最高裁の結論】
有罪(控訴審の判決を維持)

【有罪の主な理由】
●ネット上の情報は不特定多数の者に瞬時に伝わるので、名誉毀損の被害が深刻になり得る。一度損なわれた名誉の回復は容易ではなく、ネット上の反論で名誉が回復できる保証もない。

以下の1-3の全てを充たす場合に限り、名誉毀損の記事の犯罪性が否定される(無罪になる)
1.記事の内容が真実である場合、または、確実な資料・根拠に基づいて記事を書いた場合
2.記事の内容に公共性がある場合
3.記事の目的に公益性がある場合

●被告人Xは、市販の雑誌、ネット上の書き込み、関係者から受信したメール等、確実とは言えない資料に基づいて記事を書いており、A社に事実関係を確認することも一切していない。

ということで、他者の名誉毀損になりそうな場合、上にある3つの要件をすべて充たされている場合に限り、犯罪性が否定される(無罪になる)とのことです。

要は、名誉毀損になりそうなくらいの記事を書くのであれば、確実な資料や根拠に基づき、内容が公共性のあるもので、目的も公益性のある目的のために書いたものである必要があるというわけですね。

インターネット上では、簡単に情報発信できます。
その手軽さゆえに、ともすると、名誉毀損になってしまいかねないこともあるでしょう。
ですので、頭の片隅にでも、このような知識を入れておくとよいかもしれません。

弁護士 白川敬裕
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