建築

オススメ北欧家具(椅子・テーブル)リスト|長期的な人生を考えて

CH337とCH24(Yチェア)

オススメの家具セットについてなのですが、基本的には家がどのようなテイストかっていうのが1番重要かなと思います。

また空間スペース的に広いお家か、それともコンパクトなお家かによっても異なります

具体的にはコンパクトなお家で和テイストであれば重心は低めになりますから、造作ソファだけでリビング・居間はオッケーで、ダイニングセットが必要な感じかなと思います。

広いお家や広いリビング、また洋風な生活習慣であれば北欧家具で純粋に固めた方が美しい空間になろうかと思います。

これらのことから、和テイストで重心が低めのおうちであれば必要なのはダイニングセットだけになります。リビング・居間は造作ソファだけになります。

もう一つのポイントは「どれだけ予算をかけるか」という点です。

最高品質の長く使えるもので、かつリセール(売却時の価格)が良いものを選ぼうとすると、どうしても北欧ブランド家具になります。

最高級ブランドはPPモブラーと思いますし、フレデリシアも同じような印象です。

カール・ハンセンも北欧ブランド家具なのですが、販売価格維持のため、原材料の生産地や木の質が下がってきている傾向にあります。仕方ないですが。。。

それらを加味して、ヴィンテージの北欧ブランド家具を買うのもアリだと思います。ヴィンテージになると、売る方は取得時の金額(大体、かなり安い)より高く売れます。

買う方は安く買えますし、質が高いこともあります。色々なリスクやコスト、手間がかかることもありますが。私個人としてもヴィンテージの北欧ブランド家具を数点持っています。

揃えるべき家具

そもそも、新築で注文住宅を立てる際に、揃えるべき家具はどのようなモノでしょうか?

一般的には下記のようになります。

  • ダイニングチェア
  • ダイニングテーブル
  • ソファ

加えて、

  • チェア・イージーチェア
  • コーヒーテーブル
  • オットマン
  • スツール
  • 子供用の椅子

といったところでしょうか。

とはいえ、実際のところ、「何を揃えるべきか」と問われますと、今の手持ちの家具で足りない、ないしは満足できないところを抽出するべきかな、と思います。

ダイニングチェアも4脚必要かどうか

加えて、ダイニングチェアも4脚必要かどうか、ということもあります。実際には2脚で来客があれば、来客用にして、自分たちはスツールか何か簡易なものに座って、普段は自分たちが座る。子供たちはストッケのトリップトラップみたいな椅子に座る、という感じでも良いです。

最初に家具の全てを揃えてしまうというケースもあれば、徐々にお金を貯めて買い揃えていくというケースもあります。個人的にはそれなりに揃えつつも、高額な椅子・ソファを買い揃えていくという流れになっておりますので、そういうケースになりますね。

なぜ、とても高い家具をすすめるのか?

これからご紹介する家具は多くがとても高額で、いくつかは目が飛び出るような、驚かれるような価格です。

ただ、それでも、よいモノは良いのです。

なぜ、とても高い家具をすすめるのかというと、

  1. 原価もかかっている
  2. 歴史的な検証を受けている
  3. 一生モノになる

これらの理由からです。

原価もかかっている

ルイ・ヴィトンなどの高級ブランド品はその多くがブランド料というケースが多いです。

実際の原価は非常に安価なビニール製だったりするのが、とんでもない金額をつけているケースです。高級ブランドビジネスです。もちろん、一定の高めな利益率はこれらの北欧家具にもあります。ただ、原価はそれなりにかかっている印象はあります。

たとえば、数万円のシンプルな椅子で「樹種はオーク」というものと、10万円オーバーの「樹種はオーク」というシンプルな椅子があったとします。

その場合、見比べられるとわかるのですが、同じオーク材でも木目で価格差がわかります。

上質なオーク材を用いている椅子とそうでない椅子。

木材も時間が経つほど、質の高い木材の入手難易度が高まりますから、質の高い木材は高額で原価も高いです。

歴史的な検証を受けている

北欧家具の主流は1940年代とか1950年代にデザインされたものが多く、もちろん現代でデザインされたものもありますが、クラシックで有名な北欧家具は大体50-70年前のデザインです。

なので、リプロダクト品と呼ばれるコピー品が多く流通しています。

たとえば、最も有名な北欧家具の「Yチェア/CH24」はハンス・ウェグナーが1950年に発表したものなので、70年以上前のデザインになります。

これはつまり、歴史の検証を受けているわけです。

大体の70年前の製品は使い物にならない、時代遅れなモノ、ダサく感じられるモノになります。

一方でYチェアを代表とする北欧家具は50-70年以上の時間を経ても、良いと思えるデザインであり、今後50-70年もおそらくはずっと良いと思えるデザインでしょう。

一朝一夕で、その時に「オシャレ」と感じるデザインではないということです。

一生モノになる

ここまでの2つの理由から、高額なのだけれども「一生モノ」になると考えます。

一生愛して、一生一緒に使い続けることができる。

自分の世代から、この世代に受け継ぐことのできる家具、それが北欧家具です。

たとえば、私(竹内正浩)は40歳くらいですが、80歳で死ぬとして40年間あります。

40年×365日間で14,600日間。
一脚20万円でも、1日13.7円です。

まあ、それくらい課金してもいいかな、と思えるのではないでしょうか。

無理に課金する必要はないですが、私個人の価値観ですが「良いモノを長く使う」が人生の質を高めると思いますので、課金するほうですね。

ダイニングチェア

ざっとまとめると以下のもの。※価格は2022年11月時点

Yチェア(CH24) 定価(税込):91,300円(ビーチ材ソープ仕上げ)
PP68(ラストダイニングチェア) 定価(税込):203,500円(ビーチ材ソープ仕上げ)
J39(フレデリシア製) 定価(税込):97,900円(ビーチ材ソープ仕上げ)

Yチェア(CH24)/ハンス・ウェグナー


Yチェアは定番中の定番で
北欧家具で最も有名なチェアはYチェアとセブンチェアだと私は考えています。

特徴的なのはYのかたちをした背もたれの部分。

アームも細く曲線を描き、その曲線がまた美しい形状をしております。

ハンス・ウェグナーの代表作です。

メーカーはカール・ハンセン・アンドサンです。

PP68/ハンス・ウェグナー

PP68はPPモブラーの代表的な製品で、ラストダイニングチェアと呼ばれる椅子です。

ハンス・ウェグナーが数百もの椅子のデザインを設計してきましたが、最終的に亡くなる前に設計したダイニングチェアになりますのでラストダイニングチェアと呼ばれています。

私(竹内正浩)が個人的にダイニングチェアとしては一番いいのではないか、と考えている椅子です。

それは背もたれの部分がYチェアの場合はYの字の根元が腰の部分にあたり、深く腰掛けることができません。一方でPP68は腰の部分に背もたれがなく左右のところから、アームの支えがあります。

ですので、座り心地が良いです。

J39/ボーエ・モーエンセン

J39はボーエ・モーエンセンの代表作。

この椅子をご覧になられたことがある方も多いかと思います。シェーカー教徒の素朴な椅子をベースにデザインされた椅子です。

シンプルでかつ丈夫な形をしておりとてもシンプルなのでどんな空間にもマッチしてとても美しいと感じられる椅子です。

メーカーはフレデリシアという会社になります。

ダイニングテーブル

ダイニングテーブルはどうしても金額が高くなりがちなので、金額に驚くこともあろうかと思います。

※価格は2022年11月時点

PP70 定価(税込):1,322,200円(オーク材ソープ仕上げ)
CH337 定価(税込):537,900円(オーク材オイル仕上げ)
CH002 定価(税込):449,900円(オーク材オイル仕上げ)

PP70/ハンス・ウェグナー


PP70はハンス・ウェグナーがデザインした真円のダイニングテーブルです。

シンプルかつ丈夫。

華美なデザイン性はないのですが、美しい。

ただ、お値段が非常に高額なので、、、

CH337/ハンス・ウェグナー

CH337とCH24(Yチェア)
ハンスJ.ウェグナーが1962年にデザインしたテーブルがCH337。

若干、楕円になっており、丸テーブルとは少し異なった感じでレイアウトが楽しめます。伸長板を入れると、人数が多くなっても対応できます。

CH002/ハンス・ウェグナー


ハンスJ.ウェグナーが1982年にデザインしたテーブルCH002。

コンパクトな空間にピッタリ。それは天板が折れることで、両方を折ると夫婦で使うようなコンパクトなテーブルに。

片方だけを折ると、壁に寄せるレイアウトも可能に。全部広げると、広いダイニングテーブルに。

こういったシーンによって使い分けることが可能なダイニングテーブルで、見た目もとても美しいです。

チェア/イージーチェア

※価格は2022年11月時点

PP503(ザ・チェア) 定価(税込):950,400円(オーク材ソープ仕上げ)
PP52 定価(税込):865,700円(オーク材ソープ仕上げ)

PP503(ザ・チェア)/ハンス・ウェグナー


私が現在最も愛している椅子がこちらのPP503(ザ・チェア)になります。

最初に出た当初はあまり評価されていなかったそうですがジョン F. ケネディが大統領選で座って評価したところからこの椅子の評価が高まりました。

価格も100万円弱と非常に高額になっておりますが、相応の価値があると感じています。

まず、フォルムが美しい。

脚、アーム、そして特徴的なフィンガージョイント。見た目で、いい。

さらに座り心地もいいです。

私の体格がちょうどハンス・ウェグナーと同じくらいということもあって、座っていいですし、肘掛けのシェイプもフィットしていていいです。

身長がそこまで高くない方にとっては不便な椅子な気はしますので、基本的に椅子は合う合わないは趣味性だったり、体格だったりが影響しますので、話半分にお聞きください。

PP52/ハンス・ウェグナー


PP52も前述のPP503と同じような形状です。ただ、PP52のほうがより素朴でシンプルなシェイプです。

実際に座っていて、いい椅子だと感じます。

ただ、肘掛けの部分が丸になっているので、当たりが若干良くないという感じがしますのでPP503がベストですね。

ソファ

ソファは座り心地の印象も体格によって異なるでしょう。難しいところです。金額も高いですし。

最近は造作ソファも多いです。安くはないですが。

※価格は2022年11月時点

Mogensen Sofa 2213 定価(税込):2,854,500円(Leather group 2)
造作ソファ 定価(税込):20-50万円くらいでしょうか

Mogensen Sofa 2213/ボーエ・モーエンセン

Mogensen Sofa 2213
個人的にたくさんのソファに座ってきた経験からベストだと思うソファがこの「Mogensen Sofa 2213」です。

ボーエ・モーエンセンのデザインも素晴らしく、シンプルでオーソドックスなのですが、脚色がないというか。

デザインだけでなく、実際に座ってみて、すっごく心地よい。これまで色んなソファを体感してきて、このソファなら寝られるなと感じたソファです。

実際、ボーエ・モーエンセンが横になっている写真もあるくらいなのですが、サイズが大きく2200mmくらい幅があるのがメリットでありデメリット。

体の大きな私が寝られるソファなので、サイズが大きく、日本の住宅のサイズ感とは合わないこともあるかと。

それで最大のハードルは価格。

2022年11月時点で、ざっくり300万円(税込)。お高いです。

メーカーはフレデリシア。

造作ソファ

造作ソファ
建築的にこだわった住宅であれば、造作ソファは手堅い選択肢です。

実際に、でんホームでも造作ソファをモデルハウスに置いてますし、お客様宅でも納品しております。

メリットはサイズをピッタリ合わせてスッキリ作ることができること。張り地のカラーバリエーションや生地自体も選択できるので自由度が高いです。

おすすめではありますが、値段もサイズや生地によって大きく異なることと、革張りは難しいのでどうしてもファブリック限定になりがちなところです。

フィン・ユール邸の造作ソファ

コーヒーテーブル

コーヒーテーブルはそこまでこだわりがまだなく、ヴィンテージのチークのコーヒーテーブル持っていますが、それでいいかなとも思っております。

オットマン

オットマンも、次項のスツールを代用してもいいのではないか、と考えています。

スツール

スツールはアルヴァ・アアルトのスツール60を持っていますが、普通と言えば普通ですので、別で複数所持しているヴィンテージのスツールでいいかなと思っています。

フレームはチークやオークで座面はファブリックです。

子供用の椅子

王道はストッケのトリップトラップですね。大体、こちらを選ばれる方が多いです。

お客様が買われてらした家具ブランド・メーカー

そのほかにお客様が実際に買われていらした家具のブランド・メーカーをご紹介します。

私個人は買ってはいませんので、実際の使い勝手とかわかりませんけれども、選択肢の参考になりましたら。

竹内の具体的なオススメ家具セット

これまで長々とお話しさせていただきましたけれども、「結局、どういうのがオススメなのよ?」と思われたかと思いますので、具体的なおすすめ家具セットをご紹介します。この組み合わせで買えば間違いない、という感じです。

大きく分けて、ダイニングテーブルセットとソファとチェアセットにカテゴリを分けます。和なテイストのお家ですと、ダイニングテーブルセットだけで大丈夫かもしれません。大きな空間のあるお家ですと、どちらも必要になります。

ダイニングテーブルセット

ダイニングテーブルセットは3つのパターンでご紹介します。予算があるパターン、予算調整パターン、和の高さ(重心の低い)パターンです。

パターンA(予算あれば)

予算がおありでしたら、やはりPPモブラーで統一していただきたいですね。

  • PP70
  • PP68・PP58*2-4脚

パターンB(予算調整)

予算調整されたい場合は、カール・ハンセンでまとめます。

  • CH337、CH002
  • CH24*2-4脚

パターンC(和の高さ)

和の高さは重心が低いですから、PPモブラーのダイニングチェアを足カットして(断腸の思いで)低くするのもいいです。

  • 造作テーブル(オーク)
  • PP68・PP58*2-4脚
  • 造作ベンチソファ

ソファとチェアセット

ソファとチェアセットは私がベストと思う2つをセットしたいです。モーエンセンソファ2213とPP503(ザ・チェア)です。

パターンA

  • モーエンセンソファ
  • PP503

和の高さの場合は、重心が低い方がいいので、造作ソファでしょうか。

パターンB(和の高さ)

  • 造作ソファのみ

良い家具を選べば資産になる

ここまで金額をまとめていきますと非常に高額に感じられるかと思います。

私個人的に最高におすすめしてございますPP503(ザ・チェア)にしても約100万円です。

もちろん100万円という金額は非常に高額なのですけれども、かといってこの金額はコンスタントに年間8%前後増額していくことが予想されます。

これまで10年以上続けて値上げしてきておりますし。

年間8%ですから9年くらいで2倍です。10年後は200万円くらいです。

PPモブラーは2022年時点で、数年前の2倍の受注量であって、需要が多く、供給が少ない状態です。納期も長いです。

その意味で申し上げれば、現時点の価格が高いのですけれども、これから先の金額よりかは1番安いというのが実情です。

また10年後に売ったとして、その時点の販売価格に比較すれば取得時の金額は安いですから、売却しても利益が出る状態になります。

ですので、「良い家具を選べば資産になる」というわけです。

資産性のある家具を選ぶのか、初期費用を抑えて特に資産性のない家具を選ぶのかは人によろうかと思います。

押しつけて説得する気はございません。

ただ、そういう世界、そういう考えもあるのだと知っていただきたくまとめてみました。

予算が一番大きな要因ですので、非常に高額な家具をポイポイすすめるのは心苦しいのですが、何かの判断の参考になりましたら、幸いです。

まとめ

個人的に家具というモノが建築と同様、とっても好きなので、色々と長文で述べさせていただきました。ただ、結論としましては「趣味」ですから、何を選ばれようと、それは間違いではないです。

あなた様のご趣味と私個人の趣味が合えば、それは良いセレクトになろうかと思いますけれども、趣味が合わないのであれば、特に良いセレクトというわけでもないですから、参考情報ということでとどめておいていただければと思います。

色々な選択肢を提示させていただきましたが、各人の予算感もおありかと思いますので、適度に参考にされてはいかがでしょうか。

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