建築

杉岡製材所(朝倉市杷木)にて、杉について聞いてきました

10年以上のお付き合いがある、杉岡製材所さん(朝倉市杷木)に伺って、庵と製材所をスタッフと共に拝見させていただきました。

そこでいろいろと学びになるお話を聞けましたので、まとめ的な感じにはなりますが、要点を述べさせていただきます。

木を見る際の理想的な条件

杉岡製材所さんは名前の通り、製材業を営まれています。製材とは、丸太を建築に使える状態に(製品に)木材を加工することを意味しております。

ですので、製材所には写真にもあります通り、丸太がおかれており、これは言ってみれば在庫品になるわけです。同時に、カットされた板状の木材もまた、在庫品になるわけです。柱であれば、角材ですね。

今回、お話をお聞きして、木を見る際の理想的な条件についてお聞きしました。

箇条書きにすれば、下記の通りです。

  • 芯がど真ん中にあること
  • 木がまん丸であること
  • 癖が少ない木が良い

木材を製材して、製品化していくうえで、最も重要なのは「どのような木を製材するか?」になります。製材の前に、調達するか?ですが。

その場合、やはり反ったりすると、製品として問題になりますから、直線的なもののほうが好まれるわけです。それで、そういう品質の高い丸太はどういうものか?というと、上記の通りです。

上の写真はまさに、きれいな丸太になるのですが、中心の位置(芯の位置)が真ん中にあり、また、木そのものが丸く、癖のない木が良いそうです。

木そのものが直線的に育っていっているモノが好ましいというわけです。

適地適木の考え方

適材適所という言葉がありますが、山や木においては適地適木という言葉があるそうです。

箇条書きにすれば、下記の通りです。

  • 尾根は水が少なく、松が適している
  • 谷は水が多く、杉が適している
  • 中腹にはヒノキが適している

山のどこでも杉を植林しているような気になりますが、実際には適材適所のような感じで、適地適木がよいそうです。

山の地形や水分量に応じて、植える木を選ぶことが重要だそうです。具体的には山の尾根は乾燥しているため、松が乾燥に強く適しているそう。

また、山の谷の部分には山からの水が来ますから、水分が多いため、杉が適しているそうです。中腹はヒノキが適しているそうです。

杉はかなり広範囲に分布している重要な木材

木材は古来より建築に使われておりまして、人類の繁栄に切っても切り離せないような関係性です。ですので、古来より木材は重要視されていたわけですけれども、杉の強さは実は生育分布の範囲が広いということがあるそうです。

南で有名なところは屋久島の屋久杉になります。日本のかなり南でも、杉が生育するわけです。

一方で、日本の北ではどうかといいますと、青森県に千年杉と呼ばれる千年以上生きる杉があるそうです。長寿の杉もあるくらいですから、古来より生育していたようです。実際は人によって植林されたそうなんですけれども、育つことができる環境という意味で、広範囲に分布していることは事実です。

これによって、日本人は杉によって、住まいや船などの建築が可能になり、生かされてきたのだと感じます。

木材の用途と分布

日本において杉が広範囲に分布している一方で、そのほかの樹種はそうではないそうです。

実際、ヒノキはもともと、太平洋側の一部で主に分布(具体的には紀伊半島や四国)しており、日本海側にはほぼなかったそうです。そのため、有名な出雲大社はヒノキではなく、杉や松で建築されているそうです。

杉は前述の通り、日本列島全体で生育しており、船や建築に広く用いられてきた歴史があります。

そのような背景のため、ヒノキの文化は関西・大和エリアを中心に存在しており、杉文化は日本全体である反面、集中的に存在していることになっているそうです。

九州における杉の植林と神功皇后の伝承

日本全体に杉が生育分布していると申しましたが、実は九州では西暦500年以前には杉がなかったそうです。これは堆積した花粉分析によってわかっているそうです。西暦500年以降、九州全域で杉の花粉が確認されるようになっているそうです。

そのことに関連する伝承が、神功皇后の伝承です。

神功皇后が朝鮮半島から帰国後、鎧に杉の葉を挿し、香椎宮に植えた。その杉が香椎宮の綾杉と呼ばれ、ご神木となった

つまりは神功皇后(5世紀、400数十年代)が香椎宮で杉を植えた伝承があるのですが、考古学的証拠と神話・伝承が一致しており、杉の植林文化が古代から存在したことが示唆されているそうです。

それ以外にも、本当にさまざまなことをお教えいただきました。

ありがとうございました。

会社名:有限会社 杉岡製材所
代表取締役:杉岡世邦
所在地:福岡県朝倉市杷木久喜宮888
HP: https://sugiokatoshikuni.com/

山長商店(和歌山)のこだわり構造材は噂に違わずスゴかった和歌山は田辺市に本社を構える「山長商店」。 山長商店さんでは主に自社の山林から伐出した杉・桧の木材を加工した構造材の提供をしています。...
でんホーム日刊メールマガジン

「家づくりって、どうすればいいの?」「家づくりの基本は2つだけ」「地震で壊れる家、壊れない家の違いは何ですか?」「地震で壊れない家を建てるには?」「夏涼しく、冬あたたかい住まいにする方法」「断熱材について知っておくべき2つのポイント」「住宅ローン、借りられる人、借りられない人」「ブラックリストに載ると、住宅ローンNG?」「住宅ローンは固定金利・変動金利。どちらがいいか?」・・・

こんなことを無料でお伝えしています!

・好きな時間に家づくりの知識・ノウハウが得られます
・どこかに出かけなくても、情報収集できます
・変な売り込みを直接かけられずに、家づくりの話が聞けます
・登録も簡単。解除も簡単。無料です。

ご登録は以下のフォームから!