住宅に気密性はなぜ必要か?仕組みやメリット、デメリットを解説。

住宅に気密性はなぜ必要か?仕組みやメリット、デメリットを解説。
  • 「高気密高断熱住宅という言葉を聞きますが、高気密とはどういう意味なのでしょうか?」
  • 「気密性というものは住宅において、どういう価値・意味があるのでしょうか?」

この記事ではこれらの疑問についてお答えしていきます。

住宅の気密性、内容と仕組みとは

住宅の気密性とは分かりやすく言えば「住宅の隙間を少なくして、密閉性を高めること」になります。

ですので、高気密高断熱住宅の「高気密」ということは、この気密性が高い性能であるという意味になります。

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実際にどうやって気密性を高めるのか?

具体的に住宅の気密性を高める方法としては、いくつもの複数のアプローチがあります。

基本的には「屋根・天井」「壁」「床・基礎」の3つの部分に対して、それぞれの隙間をないように施工していくことになります。

「壁」だけとってみても、

  1. 外壁下地で気密ラインをとる方法
  2. 内壁下地で気密ラインをとる方法
  3. 断熱材で気密ラインをとる方法

のように3つのアプローチがあります。

どれが正解でどれが不正解というものではなく、他の部分との整合性を検討して、トータルとして正しければ、どれも正しいアプローチとなります。

それで、気密ラインが決まれば、その部分の建材と建材の接合部を気密テープで塞いだり、気密ラインの面を気密シートで塞いでいくという施工をしていきます。

C値(気密性の指標)

C値とは、住宅における相当隙間面積のこと
では、気密性が高いかどうかはどうやって判断すればいいでしょうか?

答えは「C値」という指標で判断することができます。

C値とは、住宅における相当隙間面積のことです。

計算方法としては、建物全体にある隙間面積を延床面積で割った数値になり、建築した住宅の気密性能の指標となります。

一般的にはC値は1.0を切っていると、高気密住宅と言って差し支えないかと思います。

C値が1.0というのは「延床面積100平方メートルの住宅であれば、住宅全体の相当隙間面積は100平方センチメートル」になります。

ちなみにこのC値を算出するには「気密測定」をする必要があります。気密測定をするには、きちんとした気密測定器を用いて計測します。

注文住宅で気密性がなぜ必要か?


ここまで気密性について解説してきましたが、では、注文住宅で気密性がなぜ、必要になるのでしょうか?

気密性が必要になる理由としては大きく4つの理由にまとめることができます。

  1. 住宅の中の室温を一定に保つため(省エネ)
  2. 断熱性能の低下を防ぐため
  3. 結露を防ぐため
  4. 換気性能を保つため

それぞれ解説していきます。

住宅の中の室温を一定に保つため(省エネ)

気密性の低い家は、分かりやすく言えば「隙間風が入ってくる家」です。

ですから、冬に暖房をつけて暖かくしようとしても、隙間風が入ってくることで、冷気が家の中に入ってきます。家全体の気密性になりますから、隙間風が屋根や天井、壁、床などから、じんわりと入ってくるイメージです。

夏も同じようなことが起きます。夏の室温を下げようとエアコンを入れたとしても、暖かい空気が外から隙間風で入ってくることで、冷房が効きづらくなってしまいます。

以上のことから、反対に言えば、住宅の気密性が高いと、冷房も暖房も効きやすくなり、電気代も安くすみますし、なにより省エネルギーということになります。

断熱性能の低下を防ぐため

気密性が低いと、せっかくの断熱材もその断熱性能を低下させてしまいます。

例えば、グラスウールのような断熱材は隙間があることで断熱性能を大幅に下げてしまうことになると判明しています。

気密性を高めることで、断熱材がもつ本来の断熱性能を発揮することができます。

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結露を防ぐため

気密性が低いと、隙間風が入ってきます。その隙間風には湿気が含まれていることが多々あります。

そうなると、その湿気が壁の中で結露してしまい、壁の中がカビだらけになってしまったり、住宅の構造にも悪影響があったりすることになります。

換気性能を保つため

気密性が低いと、効率的な換気ができません。

現代の住宅で、きちんとした換気は重要です。生活していれば、二酸化炭素やにおいといったもの、また、ウイルスやホルムアルデヒドといった有害物質もないわけではないですから、そういった物質を屋外に排出するためにも、定期的な換気がなされるということは大切です。

法的にも定められていまして、新築住宅は24時間換気というルールがあり、それを満たしていないと建築できないことになっています。ルールはそうなっているのですが、実際には気密性が低いと、換気を効率的に行うことができないのです。

気密性が低いと、換気扇の近くの空気だけが循環するショートサーキットと呼ばれる現象が起きてしまうのです。

そのため、住宅の気密性を高めることは適切な換気性能を保つ意味合いもあるのです。

高気密高断熱住宅のメリット

ここまで「なぜ、住宅の気密性が必要か?」についてお話ししてきましたので、メリットもデメリットもなんとなく伝わっているように思うのですが、きちんと解説します。

住宅の中の室温を一定に保ちやすい

高気密住宅の最大のメリットは「住宅の中の室温を一定に保ちやすい」です。

前述の通り、気密性が低い家は隙間風があるわけですから、冬は冷気が入ってきて、暖房効率が悪くなりますし、夏は暖気が入ってきて冷房効率が悪くなります。その結果、室温を一定に保つことが難しくなります。

一方で、高気密住宅であれば、隙間がほとんどないわけですから、冷気も暖気も入ってくることがなく、エアコンの効率もよくなり、室温を一定に保ちやすくなり、また、省エネです。

静かになる

もう一つのメリットが「静かになる」です。

気密性が低いということは隙間があるということで、また、隙間があると、音漏れするのです。

交通量が多い場所、学校の近くなどは騒音がします。そういう場所に建築するのであれば、静粛性の高い家の方がありがたいものです。

ここでもし、気密性の低い、隙間のある家であれば、その隙間から騒音が漏れてきます。うるさいです。

一方で、高気密住宅であれば、隙間がほとんどないですから、そこから騒音が漏れてくるということもなく、静かに暮らすことができます。

高気密高断熱住宅のデメリット

では、メリットの大きな高気密高断熱住宅ですが、デメリットはあるのでしょうか?

ほとんどないと思うのですが、強いてあげれば「換気しないといけない」ということです。

かつての住宅は気密性が低く、隙間風が入ってきていましたから、換気しようとしなくても、自然と換気されている状態になります。隙間風で換気ですね。

一方で、高気密住宅は隙間がほとんどないですから、換気システムを使わないと、換気できません。ルールとしても、24時間換気が義務付けられていますから、換気しない家はないとは思いますが、換気しないといけないです。

気密性の高い家は快適になる

ここまでお話ししてきましたが、住宅を気密性の高いものにする、つまりは高気密住宅にするということですが、そうすると、とても快適な家になるということが伝わったかと思います。

住宅の隙間を無くす、ということではありますが、そうすることで、室温が一定にすることができ、また、効率的な換気ができて、快適であり、省エネなお家になります。

家づくりを考える上で「高気密高断熱住宅」は重要なキーワードになります。ぜひ、好みのデザインで高気密高断熱住宅を建築されてください。

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